バッグの種類について
バッグの種類はその内容物によって生理食塩水、液状シリコン、コヒーシブシリコン、その他(CMC、ムコ多糖類など)に分類されます。
さらに、表面の性状でつるつるのもの(スムースタイプ)、ざらざらのもの(テクスチャードタイプ)、バックの形状によりラウンドタイプ(お椀型)、アナトミカルタイプ(涙型)などに分かれます。
これらはクリニックやドクターによっても勧められるものが違いますが、あなたが手術をされた年代によってもメインで使用されるものが変遷しています。
種類
-
- 生理食塩水
-
- 液状シリコン
(旧タイプのシリコン)
-
- コヒーシブシリコン
-
- その他
(CMC、ムコ多糖類など)
質感
-
- スムースタイプ
(つるつる)
-
- テクスチャードタイプ
(ざらざら)
バッグの形状
-
-
- ラウンドタイプ
(お椀型)
- ラウンドタイプ
-
-
- アナトミカルタイプ
(涙型)
- アナトミカルタイプ
シリコンバッグの歴史
シリコンバッグの年表
-
-
液状シリコン
(スムースタイプ)
耐久性、安全性に
問題あり
-
-
生理食塩水
(スムースタイプ)
触り心地が不自然
-
-
CMC
(テクスチャードタイプ)
耐久性、安全性などの
問題あり
-
-
コヒーシブシリコン
(テクスチャードタイプ)
硬さが気になる
-
-
ソフトコヒーシブシリコン
(テクスチャードタイプ)
拘縮や不自然さ
という問題は残る
具体的には、1990年代に入るまでは、液状シリコンのスムースタイプが主に手術では用いられていました。一時期、シリコンバッグの体への影響(自己免疫疾患)が疑われ、一斉に生理食塩水バッグに切り替わりました。1992年頃です。
しかし、この生理食塩水バッグは触り心地が不自然で、多くの日本人のようなやせ型の小さなバストには合わなかったため、1990年代後半から、もっと粘稠性のあるハイドロジェルバッグやCMC(カルボキシメチルセルロース)などが充填されたバッグなども豊胸に用いられるようになりました。
これらは後に耐久性、安全性などの問題で使われなくなりました。
1995年頃からは、シリコンと自己免疫疾患との関連も否定的なデータが出だしました。
2000年代になるとシリコンジェルが漏れださないように固形になったコヒーシブシリコンなどが主流となり、バッグ自体の素材も何層もの構造を持った耐久性に優れたものになりました。
この頃になるとシリコンバッグの発がん性や自己免疫疾患との関係も否定され、その後、いくつかのバッグは、主に耐久性の面で品質が向上し、FDA(米国食品衛生局)認可も取得するようになりました。
そして、今日に至るまでその触感や表面の加工、耐久性など各社が競うようになりました。
現在では、ソフトコヒーシブシリコン、テクスチャードタイプが主流です。様々な名前で流通していますが、バッグ自体の性能はそれほど大きく変わらなくなってきました。
しかし、どんなにバッグの性状が進歩しても、拘縮や不自然さという問題は完全にはクリアされていません。
拘縮の予防には、手術後に超音波をかけたり、内服薬を飲み続けたりする方法も試みられていますが、バッグはやはり人工物ですので、入れた直後はキレイでも、バスト自体の年齢による変化で、どうしても不自然になるのは避けられないことなのです。