シリコンバッグプロテーゼ(豊胸インプラント)による豊胸手術の後、バストに不自然なしわがよったり、部分的に突起したいびつな形になったり、触るとペコペコと異物感が分かるようになることがあります。これが、リップリングです。
原因は、乳房内に挿入したシリコンバッグプロテーゼ(豊胸インプラント)の辺縁が折れ曲がってしまったため。折れ曲がる理由として考えられるのは、大きく次の3つ。
欧米に比べて痩せ型の多い日本人は、シリコンバッグプロテーゼの挿入スペースが狭いため、手術時にリップリングになりやすい傾向があります。一方、豊胸手術後に時間差で起こるリップリングは、スムースタイプのシリコンバッグプロテーゼに多いトラブル。表面がツルツルしているため、乳房内に挿入した後でも動きやすいからです。
カプセル拘縮の影響の場合、バスト表面が波打ったような状態になっている症例をよく見受けます。
豊胸手術後に起こったリップリングをそのままにしておくと、痛みや発赤が生じることも少なくありません。それは折れ曲がったシリコンバッグプロテーゼ(豊胸インプラント)の縁が一点を圧迫し続けるため。尖った角がバストの皮膚を突き破り、シリコンバッグプロテーゼが露出することもあり得ます。圧迫による血流の停滞で皮膚壊死を起こすことは十分に考えられます。
バストへ挿入する際に折れ曲がることがリップリングの要因のひとつ。まずは大き過ぎない、元々のバストに合ったシリコンバッグプロテーゼ(豊胸インプラント)を選ぶことが予防に繋がるでしょう。
しかしリップリングを起こしてしまうと、マッサージなどを施しても改善できないのが現実です。やはりシリコンバッグプロテーゼを除去(抜去)する他、治療法はありません。